IQOSとは何か?
IQOSは、フィリップ・モリス社が開発した「加熱式たばこ」の代表的な製品です。従来の紙巻たばことは異なり、たばこ葉を燃焼させるのではなく、専用のヒートスティックを加熱することでニコチンを含む蒸気を発生させる仕組みです。火を使わないため煙や灰が出ないのが特徴です。
【IQOSのメリット】
1. 煙や灰が出ない
IQOSはたばこ葉を燃やさずに加熱するため、煙が発生しません。これにより、服や部屋にタバコ臭がつきにくくなり、喫煙後の不快感が軽減されます。また、灰も出ないため、清潔さが保たれます。
2. 受動喫煙のリスクが低下
紙巻たばこに比べて、有害物質の放出量が大幅に削減されるとされており、周囲への影響(副流煙)も抑えられる可能性があります。ただし、完全に無害ではない点には注意が必要です。
3. 喫煙のマナー改善
火を使わないため火災のリスクが下がり、公共の場や車内でも使用しやすいという利便性があります(ただし場所によってはIQOSも規制対象です)。
4. 健康へのリスクが「比較的」低い可能性
フィリップ・モリス社は、「従来のたばこよりもIQOSの方が健康リスクを低減できる可能性がある」と主張しています。WHOやFDAの一部評価でも、有害物質の削減が報告されています。
【IQOSのデメリット】
1. 完全に安全ではない
IQOSは紙巻たばこよりも有害物質が少ないとはいえ、ゼロではありません。特にニコチンは含まれており、依存性や循環器系への負担は続きます。肺や心血管疾患のリスクが完全に消えるわけではありません。
2. 初期費用が高い
IQOS本体のデバイス購入費がかかる上、専用のヒートスティックも紙巻たばこよりやや高価なことがあります。定期的なメンテナンスや充電も必要です。
3. 故障・不具合のリスク
加熱式の電子デバイスであるため、故障やバッテリーの劣化、清掃不足による動作不良が起きやすい点もネックです。
4. 新たな依存の可能性
「健康に良さそう」「煙が出ないから安心」といった誤解から、喫煙がやめられなくなる/むしろ使用頻度が増えるリスクもあります。特に若者への拡大が懸念されています。
【健康への影響】
IQOSが従来の紙巻たばこに比べて健康への悪影響が少ないという研究結果はありますが、それは“相対的”な評価であり、「無害」ではありません。
含まれる有害成分の一例:
• ニコチン(依存性・血管収縮)
• ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド(発がん性物質)
• **微粒子(PM2.5)**の一部成分
一部の研究では、IQOSによる血管内皮機能の低下や、呼吸器への影響が報告されており、特に長期使用の安全性についてはまだ十分なデータがないのが現状です。
また、受動喫煙のリスクがゼロとは言えず、閉鎖空間での使用によって周囲の非喫煙者の健康に悪影響を及ぼす可能性も否定できません。
【まとめ】
観点 | 内容 |
メリット | 煙や灰が出ない、臭いが少ない、周囲への配慮、燃焼よりは有害物質が少ない可能性 |
デメリット | ニコチン含有、依存リスク、初期費用、完全に安全ではない、若年層への影響 |
健康影響 | 紙巻たばこよりはリスク低減とされるが、長期的な安全性は未確立。依然として健康被害の可能性あり |
IQOSは「よりマシ」な選択肢であって、「安全な選択肢」ではない――というのが現在の医療・科学的なコンセンサスです。禁煙を考えている人にとっては、最終的にニコチンから完全に離れることがもっとも健康的な選択といえるでしょう。
もし、医療現場でIQOS使用者に説明する際のポイントなども知りたければ、そちらもお手伝いできますよ。必要であればお知らせください!
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